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# kiki's note #12
2014年8月8日。
kikiはオープン1周年を迎えます。
このエッセイも12回目の更新で、あっという間の最終回となりました。

一年を振り返りながらこうして過ごしている今、
時計の針の音はこんなにもゆったりと聞こえるのに、
一日が過ぎてゆくのはとても早いものです。
無我夢中で、とりあえず日々をこなすのに精一杯の一年でした。

またここから一年、どんな年になるのでしょう。
イメージはしつつも、かたちにするのはとても難しい、そしてそれを軌道にのせるのはもっと難しい。

やりたいことや好きなことを仕事として突き詰めようと必死になると、
思う通りにいかなかったり、失敗したり、後悔したりして、悔しくて辛い。
そんなことが続くうちに、
本当は何がしたかったのか、なにが好きだったのかがわからなくなることって、やはりあるのです。
それでも、誰かの「ありがとう」に救われて、「あぁやっていてよかった」と思える瞬間があるから、
今こうして続けてゆける自分がいます。

生計をたて暮らしてゆくのは簡単なことではありませんが、
そういうものに出会えたわたしはきっと幸せです。


天然酵母パンと雑貨のお店kiki
和泉真紀
| comments(0) | - | 23:57 | category: エッセイ:和泉真紀, 町屋 |
# kiki's note #11
久しぶりにお祝いカンパーニュを焼きました。



材料は、小麦粉、酵母、塩、水でつくる、とてもシンプルな配合。

カンパーニュとは、フランス語で 田舎パン を意味するパンですが、
カンパーニュの語源である【カンパニオ(companio俗ラテン語)】は パンを分け合う人々 という意味なのだそうです。
日本でいう 同じ釜の飯を食う ということばと同じような意味合いかなと、わたしは解釈しています。

結婚、新居への引っ越しなど、新しい場所で、
これからの生活をともにしてゆく”家族”になる人々に贈りたいと思うパンです。

この先もずっとパンを作ってゆきたいと思ったキッカケのひとつでもある、
「しあわせのパン」という映画。映画の舞台は北海道の洞爺湖。

映画を観たのはちょうど北海道のペンションで働いていたときでした。
同じ北海道という地で同じようにパンを焼く主人公と自分を重ねながら、
あぁ、こういう生き方をしてみたい。
それが、”憧れ”とか”理想”とか、そういう届かない夢みたいなものとは違って、
自分の考え方とか、暮らしのスタイルとして、それがとても自然なものに感じたのです。

映画のキャッチコピーである「分けあうたびに わかりあえる きがする」
とても素敵なことばです。
ひとつのパンを、手でちぎって、みんなで分け合いながら食べるシーン。
そんな風に、自分の焼いたパンが 人と人を繋げて笑いあってくれていたら、
これほど嬉しいことはありません。

そういう思いで、特別なお祝いのときにはカンパーニュを焼いて、贈ることにしています。


今は東京に戻り、”都会の時間の流れ”に合わせた生活を送っていますが、
根っこの部分にある、大切にしたい自分の心の中の感覚は、
例えばパン教室でみんなとパンを作りをしているときや、
ひとしきりパンを焼き上げて、珈琲を飲んで、「ふぅ」と息をついた瞬間に、ふと、
北海道での暮らしの風景とともに、蘇ったりするのです。
それは、本当にふとした瞬間にやってきて、とても不思議な感覚です。
まるで、あの場所に戻って、忘れかけていた大切な感覚を思い出すような瞬間です。

こんな風に言うと、東京での暮らしに不満があるように聞こえますが、
生きていればどこにいたって”不安”はつきもので、決して今の暮らしに”不満”はないのです。
それは、都会での暮らし、田舎での暮らしを自分の体で感じて、経験できたからこそだと。
大切なのは忙しない日々のなかで、自分の目指すものや大事にしたいものを見失わないこと。

この先、どんな環境で、どんな暮らしをしてゆくのか、これから起ることは計り知れないけれど、
どこにいても、自分の焼いたパンを誰かが食べて、そして笑顔になってくれる。
そんな日々でありますように。




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天然酵母パンと雑貨のお店kikiからのお知らせ

★7月の出展予定
・7月19日(土)11:00〜18:00
 『室井陶器展』(綾瀬・DECOLA)会期7/18(金)〜7/27(日)
 kikiは7/19(土)のみ出展します
 DECOLA HP→h
ttp://decola.me/

・7月26日(土)9:00〜16:00
 雑司ヶ谷『鬼子母神・大鳥神社 手創り市』  
 アクセス方法→
http://www.tezukuriichi.com/access.html
 出店場所は鬼子母神会場 食品ブース1です
 雨天中止の場合は、店舗を臨時営業といたします

★7月のkiki店内イベント
・7月13日(日)
 暮らしをたのしむvol.3
『オリジナル風鈴をつくろう』【Gest】吹きガラス作家 ふくだゆうこ(2Uglass)受付中
 詳細は→
http://kikinonote.exblog.jp/22163047/

・7月21日(月・祝)
 パン教室kiki o suus「お出かけにぴったりな、夏野菜フォカッチャ」受付終了

・7月30日(水)〜8月10日(日)
 4つの いろの てぬぐい展
 *参加作家*
  なな梅/CRAZY TEXSTILES/tenugui chaco/zucu

・8月3日(日)ワークショップ
和菓子職人 糸 ito『伝統とオリジナルの生菓子作り』受付中
申込先:itoito.71718@gmail.com

・8月9日(土)ワークショップ
手拭い作家 なな梅『手拭いのいろいろな包み方』受付中
申込先:nana-ume@live.jp

詳細はブログにて 
http://kikinonote.exblog.jp
| comments(0) | - | 23:56 | category: エッセイ:和泉真紀, 町屋 |
# kiki's note #10
例年より早い梅雨入り。
仕込みも一段落し、こんな日は客足も少ないので、ゆっくりとパソコンの前に座る。

食のことや、町屋のこと、パン作りのこと、伝えたいと思っていたことをたくさん書いてきた。
10回目のエッセイには何を綴ろう、と考えながら、ふと室根さんの日記を開く。
ーーーー『6月の蠅取り紙』を思い出す6月
というタイトルが目に入った瞬間、
部屋のあちらこちらにぶら下がる『蠅とり紙』の光景が蘇った。

2年前の5月下旬に北海道の旭川、富良野を少し観光して、6月からの約半年間を美瑛で過ごした。
6月から7月にかけては日中は日差しが強く、朝晩に少しだけ冷え込む程度。
8月を過ぎると、北の国と言えど熱帯夜が1週間ほどあった。
けれど部屋にはクーラーなどないので、仕方なく窓を開け放つ。
それでももちろん暑い上に、網戸も窓枠に画鋲でとめてあるだけの簡素なものだったので、
見たことのない形や模様をした「はじめまして」の虫たちが、暗闇の中明かりを求めて次々と部屋に訪問してくる。
いちいち捕まえていてはキリがないので、次の日のネタにしようと、ひとしきり面白がって観察し、
奇妙な動物の鳴き声(いまだに正体不明)と、牛の肥溜めの臭いに包まれながら、眠りにつく。

朝、洗面台で顔を洗い、髪の毛を整えていると、先客がいたことに気がつく。
鏡の前に、ハサミムシ。両足を器用に使って触覚を整えていた。何度も、何度も。
顔を覗き込むと、「あら、いたの?どうぞ。」と言わんばかりに、ゆっくりとその場を立ち去って行った。

スズメバチや、蟻に蛾に巨大グモ、そこかしこにたくさんの虫たち。
毎日のことともなると慣れてくるもの。
東京では夏場になるとカサカサと現れる【アイツ】が北海道では一度も姿を見せぬかわりに、
現れるいちばんの厄介者は、大量に発生する蠅。
虫は平気と言えども厨房に蠅が入るのはいかがなものか。
ここで登場する、昔懐かしい『蠅取り紙』。いかにも怪しげなこのリボンに蠅は見事にひっかかる。
スタッフの中で一番背の高かった私も、あちらこちらにぶら下がるソレによく頭をひっかけた。
いかに蠅に気づかれずして仕留めるか?蠅の行動にはどんな意味があるのか?
スタッフ同士で情報交換。そんなことを真剣に考えていた北海道での、夏。
一緒に暮らしていた子どもたちに、蠅たたきの使い方を一生懸命教わったのも今となっては良い思い出。

宿に宿泊されたお客様に、帰り際「夜はたくさん虫が入ってきて….」と言われ、
つい反射的に「申し訳ございませんでした」と頭を下げる。
「緑に囲まれたこの場所ならではの体験がたくさんできて、楽しかったです」と、思わぬ言葉が返ってくる。
日常とかけ離れた生活は、人の価値観をかえる。

どこにいても電話が繋がり、数歩あるけばなんでも手に入るこの場所を知っている者からすれば、
田舎での暮らしは「不便」なことだらけかもしれないが、
暮らしてみると「不便」ということが「快適」で「楽しい発見」がたくさん転がっていることに気づく。
ただ生きるために働き、おなかが空いたらご飯を食べ、花や動物の世話をしながら日々の成長を感じる。
日が沈み、あたりが暗闇になれば眠りにつく。
毎日の暮らしはとてもシンプルで、何もないということが、
無理に何かをしなくてもいいという気持ちにさせてくれる。

何もせずダラダラとしていることに罪悪感を感じることもなく、
誰かと連絡を取らなくても、会えなくても不安になることもない。

都会での生活は日々何かに追われて、何をこんなに焦っているのだろうと、

ふと得体の知れない虫さえも愛おしく思えていた、あのころの生活を思い出す。


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天然酵母パンと雑貨のお店kikiからのお知らせ

★6月の出展予定
・6月15日(日)9:00〜16:00
 雑司ヶ谷『鬼子母神・大鳥神社 手創り市』  
 アクセス方法→
http://www.tezukuriichi.com/access.html
 出店場所は大鳥神社です
 雨天中止の場合は、店舗を臨時営業といたします

・6月22日(日)9:00〜16:00
 千駄木『養源寺』&SCENE手創り市  
 アクセス方法→
http://www.andscene.jp/access.html
 雨天中止の場合は、店舗を臨時営業といたします

・6月29日(日)11:00〜17:00
 上野・宋雲院『Tera De Marche』
 アクセス方法→
http://terademarche.jimdo.com
 雨天決行です

★6月のkiki店内イベント
・6月8日(日)
 パン教室kiki o suus「もちふわ白パンでたのしむ、おいしいブランチ」受付終了

・6月18日(水)
 暮らしをたのしむvol.2
 初心者向けコーヒー講座「好きなドリッパーで淹れてみよう」予約受付中
 詳細→
http://kikinonote.exblog.jp/22083903/

・6月19日(木)
 パン教室kiki o suus「お出かけにぴったりな、夏野菜フォカッチャ」受付終了
| comments(0) | - | 23:55 | category: エッセイ:和泉真紀, 町屋 |
# kiki's note #09
2013年真夏のオープンからまだ1年も経たない「kiki」ですが、
少しずつ自分たちの実現したかった活動が動き始めています。

2014年4月からスタートした荒川区内を自転車で走る移動パン屋『kiki beic』
2014年5月からスタートする『暮らしをたのしむ』、パン教室『kiki o suus』

移動パン屋『kiki beic』のこと
kiki beicの【beic】はケルト語で自転車という意味があり、
英語の【bakeー焼くー】の響きと似ていて、
パン屋を連想させる言葉だったので、移動販売での活動をkiki beicと名付けました。
移動販売はもともとオープン当初から考えていた活動で、
お店に行くには遠い、オープン時間内になかなかお店まで行けない、
慣れない場所で行きづらい、気になっているけど入りづらい、
お年寄りが多い街ということから長距離は歩けない…という方も多いのではないかなということと、
吉祥寺や谷根千あたりではよく見かける自転車やリヤカーでの移動販売が、
自分たちの住む街でも、珍しいものではなくなればいいなという思いがありました。

移動販売の際に立ち寄らせていただいているお店は雑貨屋さんだったり、お花屋さんだったり、カフェだったりと、
それぞれに過ごす楽しい時間の中で、自然に手づくりのパンを道行く方に手に取ってもらえたらとても幸せです。
今では「うちにもぜひ立ち寄って」と声をかけて下さる方もいらっしゃたり、
徐々にみなさんに興味を持っていただいて、嬉しい発見の日々です。



『暮らしをたのしむ』のこと
この企画はkikiの姉が企画、開催していく活動です。

姉が気になる作家さんなどを招いてワークショップをしたり、
自分自身が行うイベントを通して、
「日々の暮らしを楽しむ」発見をできるようなきっかけになればいいなと考えています。

元々、OL時代からパン作りと並行して、創作活動をしていた姉。
パン作りや創作活動を始めたきっかけは、
日々を楽しむため、人生を楽しむため、気分転換のため…
そうしてモノ創りを続けて行く中で学んだこと、発見できたこと、
今ではそれを仕事として向き合って気づいたこと、思いついたこと、
それらをもっと気軽に日々の中に取り入れられるような形で伝え、
みなさんの”暮らしを楽しむ”ひとつとなれば素敵かもしれない、
そんな風に考えて始めた活動です。

第一回目は絵を描く人・風見佐知子さんをお迎えしてワークショップを行います。



パン教室『kiki o suus』のこと
昨年12月更新でもパン教室のことについて少しだけ書かせていただきましたが、
今までは主に知人向けに行ってきたレッスンも、
ようやく5月から一般の方にもご参加いただけるように企画していくことになりました。

「kiki o suus」という名前にパン教室への思いを詰め込みました。

「osuus」とはフィンランド語で「分かち合う、共有する」という意味。
大好きな映画「かもめ食堂」の舞台となっているフィンランド。
かわいくておいしそうなシナモンロールがとても印象的で、
かもめ食堂のような癒しの空間が作りたいなという想いがあって、フィンランド語を使いました。

そして、kiki o suusと表記するときに、間に「o」を置いたのは、
パンの生地を丸めたときの”コロン”としたかわいさを表現したかったから。

パン作りは手間も時間もかかるし、難しい。
「でも、パン生地って気持ちいいよ、かわいいよ、楽しいよ。」
技術を学ぶ前に、その感覚を知って楽しい!と感じてもらうことから始めたいな、と思っています。



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天然酵母パンと雑貨のお店kikiからのお知らせ

★5月の出展予定
・5月10日(土)10:00〜16:00
 雑司ヶ谷『鬼子母神・大鳥神社 手創り市』  
 アクセス方法→
http://www.tezukuriichi.com/access.html
 出店場所は大鳥神社です
 雨天中止の場合は、店舗を臨時営業といたします

・5月23日(金)〜25日(日)
 Co. & Kokorone『足と靴の日』スコーンの出品にて参加 
詳細→
http://cokokorone.jp/ashitokutsunohi/cokokoroneashitokutsunohi.html

★5月のkiki店内ワークショップ
・5月22日(木)
 パン教室kiki o suus「もちふわ白パンでたのしむ、おいしいブランチ」予約制(5/10〜受付開始)
 詳細→
http://kikiosuus.exblog.jp/22575888/

・5月24日(土)
 暮らしをたのしむvol.1
ふだんは絵を描く人、風見佐知子が提案する
 「かんたん カンタン きりえプリント」予約制(受付中)
 詳細→
http://kikinonote.exblog.jp/21963672/
| comments(0) | - | 23:54 | category: エッセイ:和泉真紀, 町屋 |
# kiki's note #08
2012年夏、
北海道の美瑛町にあるペンションで、数ヶ月間住み込みスタッフとして働いていました。
当時、ムロネさんからエッセイのお話をいただきましたが、
諸事情により東京に戻る事になったため、北海道での暮らしについてのエッセイを書く事は叶わず。
その後、パン屋を始める事になりふただびエッセイを書く機会をいただきました。
今まで、食のことやお店の事、町屋のことを書いてきましたが、ここで番外編。

特別なことはない、不便なことだらけ、
それでも心穏やかに毎日を過ごせた大自然の中での暮らし、
田舎の観光地ならではの問題…など感じた事をご紹介したいと思います。



一日の流れは、
5時に起床、
朝食準備をしゲストハウスに運び、その後スタッフの朝食。
チェックアウトが終わると、掃除、備品補充、ベッドメイキング、チェックインの準備などなど。
空いた時間に昼食、買い出しなどを済ませて、
夜は自分たちの夕食作り。
だいたい9時頃には就寝。
美瑛は街頭がとても少なく、お店も閉まるのが早いため、
車をハイビームにして走っても真っ暗闇で、とってもとっても危険。

野菜などはご近所の農家さんにいただいたものや、
自分たちの畑で採れたものを使用したり。



足りない食材や備品などの買い出しについては、車で5分ほどのスーパーを利用することが多かったものの、
品揃えが少なく、車で1時間半ほどかけて大きなショッピングモールに行っていました。
だいたい、どこへ行くにも1時間〜2時間かかるのは当たり前なのですが、
長い道のりでも、道路幅が広く景色も良いのでまったく苦にならないほど快適。
(ただし、国道でも70km〜80km出す車が多いので注意が必要!そのため警察も多いです)
のろのろ運転でクラクション鳴らされようと、何度も追い越されようと気にせず、
自分は法定速度を守って走るのだという強い意思をもっていればこそ、充分にドライブが楽しめるのです。




田舎ではありましたが、美瑛は有名ば観光地。
名前のついた木がたくさんあり、写真家や観光客が集まる写真スポットがたくさん。





これほどまでに、観光地として注目されているにも関わらず、
ご近所の農家さんはそのことにとても頭を悩ませていました。
住んでみて分かった事は、観光客のマナーが悪いということ。
もちろん皆が皆ではありませんが。

写真を撮る為に、農作物やお花が植えられた畑や私有地に無断で入り込んでしまったり、
車を路駐するため、農業車が通れなくなってしまったり。
旅先では自分たちが楽しむあまりに、周りが見えなくなってしまうことってあるな、
とはじめて観光地に暮らして痛感しました。



観光地化が進むことで街が豊かになっていくことは嬉しいけれど、
ここで日々の暮らしをしている人たちがいるということを忘れずにいてほしい。
娯楽施設が少なかったり、交通機関の不便さ、気にしたらきりがないほど不便なことだらけ、
でもここには緑があって、野生動物がいて、空気がおいしくて、そらが広くて、
何かを求めていなくても、驚きや楽しい出来事が自然と溢れています。
それをしっかり、自分の身体で体感してほしい。
カメラのファインダー越しに景色を映すことばかりに夢中にならずに、
自分の目で景色を楽しんでほしいな、と思います。


(辛いことがあったり、疲れたときによく行っていた白樺並木)

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天然酵母パンと雑貨のお店kikiからのお知らせ

★4月の出展予定
・4月19日(土)10:00〜16:00 雨天決行
 つながるmarket文化祭 コルシカ商店主催  
 コルシカ商店ブログ→
http://corsica219.exblog.jp

・4月20日(日)9:00〜16:00
 雑司ヶ谷『鬼子母神・大鳥神社 手創り市』  
 アクセス方法→
http://www.tezukuriichi.com/access.html
 出店場所は大鳥神社です
 雨天中止の場合は、店舗を臨時営業といたします

★4月のkiki店内イベント
・4月7日(土)〜4月13日(日)
 アルパカしか描けない画家sui.個展『guteimoku』
4/13(日)は展示中につき喫茶のみ臨時営業いたします
※パンの販売はありません

・4月27日(日)Salvia. 母の日のワークショップ〜GARDEN
詳細、予約状況→
http://kikinonote.exblog.jp/21835870/
| comments(0) | - | 23:52 | category: エッセイ:和泉真紀, 町屋 |
# kiki's note #07


こんなクッキーを作るとき、どんな材料を使いますか?


こんなスコーンを作るときは?

小麦粉、砂糖、塩、バター、卵、牛乳……

きっと答えは人それぞれ。そのときの気分や誰かにプレゼントにするときなど、
シーンに合わせて、使う材料や作り方をかえる方が多いのではないかと思います。
わたしたちのお店でも、身体に良くないとされている添加物や、
自分たちの目線で安心・安全でないと判断したものを除いては、商品に合わせて色々な材料を使用しています。

ふと先日、自分の書いたエッセイをじっくり読み返してみました。

昨年9月更新のエッセイに、こんなことを書いていました。

知らず知らずのうちに、身体に良くないものばかり手にしてしまう環境の中で、
興味のない方でも、ふらっと立ち寄ったお店で
「知らず知らずに身体に害のないものを手に取って食べている」
という日常になるのが理想。

そして11月更新のエッセイには、こんなことも。

他人の要望にばかり流されてはいけないから、と耳を塞いでいると、
自分らしさや、やりたいことすら見失ってしまうこともある。
他人が持つイメージや期待には、必ず意味があるはず。
だから耳を傾ける余裕を持ちたい。
すべてには応えられないかもしれないけれど、わたしたちのパンが、
少しでも多くの方の思い出の一部になるように想いを込めて作り続けたい。


お店をはじめてから、たくさんのお客様から色々なご要望・ご意見があり、
その中で感じたこと、自分の目指すべき方向を考えては、その度に気持ちが揺らいだり、
「自分が本当に作りたかったものはなんだっただろう…」
「食べてほしいもの、伝えたいことってなんだっただろう…」と、
さまざまな葛藤があったことを思い出しました。

ただ、気持ちや方向性がかわったかと言われれば、かわっていないことにも気づく。
作りたいものしか、作れない。

わたしたち自身、ヴィーガンやマクロ、食物アレルギーなど、食事に制限があるわけではないので、
決して使う材料を一部のものに限定していません。
バター、卵、乳製品などを使うことででるしっとりとした食感やコクのある風味を生かした商品もあれば、
菜種油や豆乳を使うことででるザクザクとした食感や甘み、素朴な優しい風味を生かした商品もあります。
また、素材を足すことでできるおいしさ、引くことでできるおいしさ、それぞれの良さを感じてほしいからです。
とにかく大切にしたいことは、お客様が気になることを「作り手」に直接聞く事ができること。
どんな製法か、何を使っているのか。
そうやって、自分や家族が安心して口に出来るものなのか、
きちんと目や耳で確かめながら「選べる」ということを実感していただきたいというのが私の想いです。


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天然酵母パンと雑貨のお店 kikiからのお知らせ

★3月の出展予定
・3月23日(日)9:00〜16:00
 雑司ヶ谷『鬼子母神・大鳥神社 手創り市』  
 アクセス方法→
http://www.tezukuriichi.com/access.html
 出店場所は鬼子母神のブース1です
 雨天中止の場合は、店舗を臨時営業といたします

・4月5日(土)11:00〜17:00
 上野・宋雲院『Tera De Marche』
 アクセス方法→
http://terademarche.jimdo.com
 雨天決行です

★3月のkiki店内イベント
・3月15日(土)
 mojojojo コルクアクセサリーのワークショップ
 詳細→
http://www.geocities.jp/mojojojonet/
 満席となった場合でも、見学はできます

| comments(0) | - | 23:51 | category: エッセイ:和泉真紀, 町屋 |
# kiki's note #06
前回ご紹介した都電荒川線の旅。
今回は荒川区を外れますが、同じ『荒川線』ということで、
荒川車庫前駅の次の停車駅「梶原駅」から「庚申塚」までを少しだけご紹介したいと思います。

梶原を出発し、これからの季節に向けておすすめしたいのが王子駅前駅から飛鳥山駅にかけての桜並木。
特に飛鳥山駅付近では、乗車したまま都電の中からこのような景色を眺めることができます。





都電の中から見えるいろんな景色の中でも、こうして住宅街の中をすり抜けて行く感じがとても好きです。
こちらはちょうど「西ヶ原四丁目駅」あたりです。



そして、花より団子だ!という方には打ってつけ。
〜じいちゃんばあちゃんの原宿、巣鴨〜へもほど近い「庚申塚駅」のホームにある【甘味処 いっぷく亭】



いろんな種類のおはぎがありますよ。
こちらは抹茶。甘さ控えめです!
何と言っても食べ歩きは電車の旅の醍醐味ですね。



都電の旅は、また少しずつご紹介していきます!

さて、kikiがお店を構える《町屋駅》
都電沿線にはオススメスポットがたくさんありますが、乗り換えや、なんらかの目的がなければ降りることのない《町屋駅》
【北千住と西日暮里の間の…】という前置きがないと都民にもなかなか気づいてもらえない《町屋駅》
「なんか聞いたことあるかも」「京都の町家のこと?」「町屋ってなにがあるの?」「………」
認知度低い...《町屋駅》

そんな《町屋駅》をもっともっとたくさんの方に興味を持ってもらいたいという思いから、
まずは、kikiからてくてく歩いて行ける範囲内の(手づくり感満載)おさんぽMAPを作りました。
今回掲載させていただいたお店、日頃お世話になっているお店の方にご協力いただき、
kiki店内と、各お店様の店頭にて手に取っていただくことができます。
普段は仕事で区外に出てしまうし、休日には地元をゆっくり散策することがない、
気になっているお店があるけど、なかなか中に入れない…こんな方がほとんどでしたが、
ここ最近、おさんぽMAPを持った方が、
「全部回ってきましたよ」「地元の町屋をゆっくり歩いてみたのははじめてです」
「お店の方ともお話できました」「素敵なお店でした」とたくさんのご報告をくださったりして、
休日にゆっくり町屋さんぽを楽しんで下さっていることが実感でき、とてもうれしく思っています。

そして、ちいさなお子さま連れのお客様はやっぱり散歩の達人!
「ここのコロッケおいしいですよ!」とか「あのあたりにもすてきながお店あったよ」なんて情報を下さったり。
こんな風に情報交換しながら、このMAPをみなさんとつくっていけたら…
わたしたちも、地元の方も、みんな町屋が暮らしやすく好きだからこそ、知りたいし、教えたいし、楽しみたい。

私自身は、産まれたのは兵庫県で、育った場所は茨城県、千葉県、半年間暮らした北海道。
どの土地にも思い入れがあり、大切な人がいて、大好きな場所ばかり。
そして、縁もゆかりもなかった荒川区町屋でお店をはじめて8ヶ月。
姉は7年ほど前から住み始めていましたが、私はこの街にここに来てまだ8ヶ月。

お客様から「地元の方ですか?」とよく聞かれます。
「千葉からきました」という返答に驚く方も多く、
「なんでまた町屋でお店をやろうと思ったの ??」とか、「地元じゃないのにありがたいですね」という思わぬ言葉をかけられたりして。
もちろん、お店を始めるのに、正直《町屋》でお店を開きたい!と思っていたわけではありません。
ここで姉と一緒にお店を始めようと心に決めたのは、土地や場所が第一ではなく、人との縁だったり、
タイミングだったり、下町風情だったり、姉がたくさんの人とのつながりを見つけてきた街だったという事。
そして日々、新たな人との縁を与えてくれるこの街への思い入れが日に日に強くなっていくのを感じています。

今回は収まりきらなかった少し離れたエリアや、おすすめの写真スポットなどを載せたものを作れたらなぁなんて妄想しています。
区外からお越しの方にもおすすめしたい魅力的なお店がkikiの周りにはたくさんありますので、
ぜひ休日には、荒川区に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。




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天然酵母パンと雑貨のお店 kikiからのお知らせ
★2月の出展予定
・2月14日(金)〜2月22日(土) 12:00-19:00(最終日17:00まで)
 素粒子+ & ギャラリー二イク(表参道)コラボ企画「MAKE LIFE 〜219パン祭り〜」展
 kikiの出展は2月15日(土)、16日(日)の2日間のみです
 15日は店舗も通常営業となります
イベント詳細はGallery219さんのHP→
こちらをClick


・2月23日(日)9:00〜16:00
 千駄木『養源寺』&SCENE手創り市  
 アクセス方法→
こちらをClick
 ブースは食品ブース、F7です!
 雨天中止の場合は、店舗を臨時営業といたします
| comments(0) | - | 23:49 | category: エッセイ:和泉真紀, 町屋 |
# kiki's note #05
2014年。
今年もまた、知らない街に出かけてみましょう。
荒川区内<三ノ輪橋駅〜荒川車庫前駅>編。

荒川区〜北区〜豊島区〜新宿区を走る路面電車『都電荒川線』は都内に残る唯一の都電です。
1日乗車券(400円)を買ってふらりと立ち寄った駅や、歩いて発見した場所をご紹介します。



〇哀領惷怯

荒川一中前駅
始発の三ノ輪橋駅から荒川一中前駅までつながる『ジョイフル三ノ輪商店街』は夕方頃になると買い物客で賑わいます。

新鮮なお魚や産地直送のお野菜も安い!
大正時代から続くお団子屋さんや甘味処など誘惑もたくさん。ついつい寄り道していまいます。

D屋駅前
駅前には高層マンションやチェーン店などが立ち並び、千代田線、京成線、都電荒川線の3路線が乗り入れる接続駅なので、たくさんの人が行き交います。

都電から見える町屋で有名な今川焼のお店『甘党の店 博多屋』に立ち寄ってみました。
ぎっしりつまった自家製あんこはぜんざいのような食感で、外側の生地がとにかくうすいのにモチモチです。
甘党にはぜひ立ち寄ってもらいたいお店。


つ屋駅二丁目駅
町屋駅前駅から町屋駅二丁目〜東尾久三丁目まで歩いてみることにしました。
こうやって『一駅歩いてみようかな』ができるのも都電の楽しみのひとつ。

町屋二町目駅に向かって歩いている途中に、『アフリカ屋』を発見。
西アフリカの布や、ダンスやアフリカンドラムの衣装のオーダーメイドや楽器、小物などを扱っていて、
店内に入った瞬間、香り、音楽、雰囲気、一気にアフリカンの世界に引き込まれます。

町屋二町目駅から東尾久三丁目駅まで歩いて行くと、靴作り教室もされているオーダーメイドの靴屋さんがあったり、おそば屋さんや定食屋さん、お弁当屋さんなど、手づくりのおいしいお店がたくさんあります。

そして線路沿いを歩いていると、こんなレトロな車輛に遭遇することも。


ヅ貳久三丁目駅
東尾久三丁目駅から10分ほど歩いたところにある『ぬり絵美術館』
こちらは日本で唯一の「ぬりえ」専門の美術館です。
館内には戦前や海外のぬり絵なども展示されています。


ぬり絵というこどもの遊びというイメージですが、こちらの美術館では第三週の木曜日に先生を招いて大人のぬり絵サロンを開催してます。
大人になると、仕事や人間関係で自分の感情を抑えてしまうことが多くなりますが、子どもころのように余計なことは考えず、自由にたくさんの色を使って自分自身を表現することができる素敵なイベントです。

東尾久三丁目駅から再び電車にのり、荒川遊園地前駅に向かいます。

荒川遊園地前駅
大正時代に開園したあらかわ遊園は、平成22年に開園60週年を迎えました。
地元の人は公園代わりに気軽に利用していたり、休日には家族連れで賑わいます。

東尾久ぎんざ商店街や、途中の駅の熊野前駅や小台駅にも地元の人で賑わう商店街があるので、
荒川遊園地に向かう際には、途中下車してお弁当やおやつを買って行くのもおすすめです。

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駅名の通り、都電荒川線の車庫と営業所があり、駅の近くに昔の停留場をイメージした展示スペースがあります。

こちらには子どもだけでなく、老若男女、電車好きな人たちが都電を利用してやってきます。
土、日、祝日には展示スペースが解放されているので、レトロな車輛の中も見学することができます。

路面電車に乗っていると、普段気づかない街の風景に目がいきます。

ゆっくりと進む電車の窓から、景色を楽しんだり、気になるお店を見つけたりと、電車に乗っているだけで新しい発見があるのが都電のよいところ。

都電荒川線のぶらり旅、今回は荒川区内の三ノ輪橋駅から荒川車庫前駅までの一部をご紹介しましたが、ここには書ききれない魅力がたくさんあります。
春になると王子駅〜飛鳥山にかけて窓の外に満開の桜を見ることができ、5〜6月には都電の線路沿いに咲く色鮮やかな薔薇道の中を電車が駆け抜けていきます。
本を読んだり、眠ったり、携帯を見たり…日々利用する電車の中での時間の使い方は人それぞれですが、都電に乗った際は、ぜひ窓から見える四季折々の景色を楽しんでみてください。

ぼーっと外を眺めるのも良し、新しいお店を見つけてみるのも良し、そこには乗った人にしか分からない景色がたくさん見えてきますよ。


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天然酵母パンと雑貨のお店 kikiからのお知らせ
★1月の店内イベント
1/20(月)〜1/30(木)
画家 風見佐知子さん 個展とワークショップ
HP→
http://sachikokazami.jimdo.com/about-me/

★2月の店内イベント
2/3(月)〜2/8(土)
mojojojo(モジョジョジョ)さん 絵画展とコルクアクセサリーのワークショップ
HP→
http://www.geocities.jp/mojojojonet/

ワークショップの日程、申し込み方法など、詳細はkikiのブログでお知らせいたします
http://kikinonote.exblog.jp
| comments(0) | - | 23:46 | category: エッセイ:和泉真紀, 町屋 |
# kiki's note #04

何気ない日々のパン作りのこと。

「こんにちは、わたしが本日のぶどうぱんです。」
 

そんな風に喋りだしそうな気がします。

毎日微妙に違う表情のパン。

焼き上がりの瞬間、オーブンをあけてまず、お店のショーケースに並べるかどうかの顔合わせ。

思わず、「よく伸びたね〜」と話しかけてみたり。

何度やっても全く同じものにはならないから、そんな時間が楽しいのです。

姉妹でパンを作っていますが、

現在パンの仕込みは、夜の仕込み、朝の仕込み、という分担制。

イモウトの私は早朝から「白神こだま酵母」※を使用したパンの仕込みを担当。

前日の夜から生地を仕込み、じっくり長時間発酵させる自家製レーズン酵母に比べ、

発酵力の強い白神こだま酵母は、温度管理を守りながら次から次へと生地を仕込んでいき、

タイマーにセットした時間を目安に、生地の様子をチェックしていきます。

わたしたちの小さなお店には、”パン屋さん”のような大きな発酵器やオーブンはなく、

家庭用サイズくらいの発酵器と、小さなガスオーブン1台で少しずつ焼いているため、

大量の粉を一度に一気に仕込むことはありません。

それが最初から最後まで自分たちの手で生地に触れられる良いところでもあります。

湿度も、気温も違う毎日。その都度、生地の状態を自分の手で確かめながら、水分を調整していきます。

オープンまでは時間との戦いだけれど、時間通りにはいかないものなので、

必ず好きな音楽をかけてリラックスしながら、焦らず丁寧に、と心がけて。

余計な感情が入ったり、肩に力が入って、ただ力任せに捏ねていると、

不思議なことに生地もなかなか思うように手に馴染んでくれなくなります。

無心で捏ねているとだんだんと生地が手に吸い付くように、

本当におもしろいように手に馴染む瞬間を感じます。

植物やお花に話しかけると、よく育つというように、

酵母も生きているので、発酵前には丸めた生地に必ず手を添えて、

捏ね上がり後の生地温度を確かめつつ、念を送ります。

あとは、生地が心地よいと感じるくらいの温度を保って発酵してくれるのを待ちます。

「大きくなってね〜」

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ここ最近、何度かパンレッスンを開催する機会があり、

初めてパン作りを「教える」ということを経験しました。

生地を捏ねる作業は一番重要な作業。

そこを、どう伝えれば分かりやすいだろう?

レシピでは決して説明ができない部分。

いざレッスンが始まるとやっぱり難しい。

ついつい手を出したくなってしまう…

でもそこはグッと我慢。

すると、

「生地がやわらかくなってきた!」

「気持ちいい!」

そう、その瞬間。

それを感じてもらえることが大事。

必要なのは技術だけじゃない、楽しむことだと、

生徒さんから改めて教えてもらった貴重な時間でした。

私が北海道でパン作りを学んでいたとき、

先生からは、いっさい手を出しませんでした。見事な放置プレイ。

なかなか生地がまとまらなくても、思うように発酵しなくても、うまく成型できなくても、

最初から最後まで、自分の手で生地の変化を感じ取らないと、意味がない。

失敗も大事。

ということを教えてくれました。

そして、私もレッスンをしてみて感じました。

生徒さんひとりひとりが「自分の手でパンを作ったんだ」とちゃんと実感してもらえるように、

ほどよい距離を置いて教えること。

私が触ったパンは私のパンになってしまう。

焼きたてのパンを食べて、おいしい!と笑顔を見せてくれることが私の喜び。

自分の手で、時間をかけて、楽しんで作ったのだから「おいしい」のです。

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今回は作業中の様子を覗いていただければと思い、ほんの一部分を切り取ってみました。

今後も、ちょっとずつ紹介していこうと思います。

「白神こだま酵母」※とは…

秋田県と青森県の県境にまたがる白神山地から発見されました。

(1993年12月屋久島とともに日本で初めて世界自然遺産に登録)

その世界自然遺産指定地域内で監督官庁の許可を得て採取した腐葉土の中から発見された、

極寒の地で、力強く生き抜いている天然の野生酵母です。

トレハロース(自然界に存在する糖分の一種)を他の酵母より多く含んでいるため、

パンがほんのり甘くしっとり焼き上がるのが特徴です。

*kikiでは、白神こだま酵母のほかに、オーガニックレーズンからおこした自家製酵母も使用しています。

| comments(0) | - | 23:37 | category: エッセイ:和泉真紀, 町屋 |
# kiki's note #03



お店には様々な年齢層のお客さまがいらっしゃいますが、

いろいろな意見に耳を傾けてみると、「食」について多くのことに気づかされます。

今回はお客様との会話の中で感じた『気づき』についてのお話。

*ひとつめの『気づき』

〜「日常」があたえる「食」への影響〜

オープンして間もない頃、

ご年配の方は芋・栗・カボチャが好きなのだという思い込みから、

来る方来る方に食べやすいであろうお芋のパンやカボチャのパンをすすめてしまい、

その度に返ってくるのは「疎開していたころを思い出すから食べないわ」という言葉…

思いもよらず、ショックでした。

たしかに食べ物は、胃袋を満たすためだけのものではない。

その場の雰囲気や、誰が作ったか、いつ誰と食べるか、どんな気持ちで食べるのか。

その時の背景もまるごと食事と一緒に記憶に残る。

ふと、

好き嫌いのない私の母も、珍しく「おはぎ」だけは食べたがらないことを思い出した。

昔、尊敬していた大好きな学校の先生が亡くなった日に食べていたから、というような理由だったと思う。

あまりに悲しい出来事に、そのときに食べていた「おはぎ」が、今でもなんだか喉を通らない。

決して食べられないわけではないけれど、一緒に蘇る記憶に耐えられなくなることもある。

そしてこの「おはぎ」

私にとっては、おばあちゃんの思い出が詰まった、大好きな食べもののひとつ。

まだおばあちゃんが健在だったころ、気持ちが悪くなるほど食べさせられた手づくりの「おはぎ」。

当時は嫌いだったはずなのに、いまでは「おはぎ」を見るたび、鹿児島の青くて広い空、強い日差し、

いつも笑顔のおばあちゃんを思い出し、気持ち悪くなりながらおはぎを食べたことを毎回笑って話しながら、

おいしく食べられる、不思議。

好きだったはずなのに、突然食べられなくなったり、

嫌いだったはずなのに、無性に食べたくなったり、

人は味覚だけではない部分で、「食べる」ことをしているんだと改めて感じる。

自分の作ったパンを、どんな思いで、どんなシチュエーションで食べているのだろう。

そんなことを考えていると、「おいしかったです!」とまた会いに来てくれるお客様の笑顔にほっとする。

ただ、違う視点で、「おいしいものを食べたい」ということに重点を置いた場合、

おいしいものを食べることで幸せを感じる場合もあるし、

嫌なことを忘れることもある。

逆に、おいしくない料理のせいで、一気に気持ちが沈むこともある。

*ここでふたつめの『気づき』

〜「食」が与える「日常」への影響〜

上記のことにプラスして、

食べられるものが限られている子どもは家族と同じ食事を楽しめない。

ここ最近多い子どもの食物アレルギーのこと。

小さいお子さま連れのお母さんに、柔らかく食べやすい甘いパンをすすめると、

「乳製品だめなんです」「卵アレルギーなんです」という返答が特に多い。

今の時代に、アレルギーの子が多いのは確かだけれど、

私たちのお店にいらっしゃる客層は特に多いのでは?ということに気づく。

オープン当初こそ、なるべく乳製品やバター、卵を使用しない商品も多く、

そこにこだわっていたものの、なかなか理想のパンの仕上がりにならず、やむおえず減らす方向に..。

そんなときに、「天然酵母のパン」「なるべく国産の安心な材料」にこだわった1軒のパン屋に、

希望の光を見ていた方も少なくなかったと思う。

アレルギーを持つお子さんの親御さんにとって、安全な食材探しは本当に本当に大変なこと。

店構え、コンセプト、きっとここには求めている商品があるはず…

そうして足を運んで下さった方一人一人のことを思うと、それに応えきれず、なんとも不甲斐ない気持ちになったりする。

ショーケースの前で、必死に自分の食べられるパンを探す男の子。

ちょうど午後の遅い時間ということもあり、唯一食べられるパンが売り切れ…

選択肢が少ない上に、手に入らなかった悔しさでいっぱいになる。

その姿を見ていると、何かできないか、といろいろな思いを巡らせる。

他人の要望にばかり流されてはいけないから、と耳を塞いでいると、

自分らしさや、やりたいことすら見失ってしまうこともある。

他人が持つイメージや期待には、必ず意味があるはず。

だから耳を傾ける余裕を持ちたい。

すべてには応えられないかもしれないけれど、わたしたちのパンが、

少しでも多くの方の思い出の一部になるように想いを込めて作り続けたい。

「食べる」ことは日常の出来事によって楽しくも、辛くもなり、

日常の出来事は「食べる」ことによって明るくも暗くもなる。

「食」は「生」なり。を日々実感。

| comments(0) | - | 23:34 | category: エッセイ:和泉真紀, 町屋 |
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